人生は「成功」ではなく、「成長」を約束されている
- 舟橋 学

- 5 時間前
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私は田坂広志氏の書物を、折に触れて拝読しています。その中で、心に残るのが「成長」という言葉です。
「成長」と聞くと、何かを達成すること、結果を出すこと、前に進むことそんなイメージを持つ方も多いかもしれません。
けれども、人生を長く生きてくると、本当の成長は、決して順調なときに起きるものではないということに、誰もが気づき始めます。
人生は、成功は約束されていないけれど、成長だけは、すべての人に平等に用意されているそう言われています。
人は、順風満帆なときには、あまり深く考えません。問題が起きていないとき、心も体も元気なとき、私たちは「当たり前」に流されて生きています。
けれど、病気になったとき体が思うように動かなくなったとき気持ちが沈み、何もする気が起きなくなったとき人は初めて、立ち止まり、自分と向き合います。
「なぜ、こんなことが起きたのだろう」「自分は、これからどう生きていきたいのだろう」「本当は、何を大切にしてきたのだろう」
苦しさの中で、答えがすぐに見つからなくても構いません。悩み、迷い、考え続けること自体が、すでに成長のプロセスだからです。
いろいろ調べたり、誰かの話を聞いたり、できる範囲で行動してみたり、ときにはうまくいかず、落ち込むこともあるでしょう。
それでも、その一つひとつの経験が、自分なりの「生きる力」や「乗り越える力」を育てていきます。
私は、人生の成長とは、自分の能力が伸びること以上に、魂が深まっていくことだと感じています。
魂が成長するというのは、立派になることでも、強くなることでもありません。弱さを知り、苦しみを知り、それでもなお、自分の人生を生きようとすること。
病気を経験した方が、他人の痛みに気づけるようになること。心が折れそうになった方が、小さな喜びを感じられるようになること。
それも、立派な魂の成長です。
人生の最期、もし静かに目を閉じるときが来たなら、「成功したかどうか」よりも、「よく生きたかどうか」「自分なりに、成長できたかどうか」それが、心に残るのではないでしょうか。
歩みが止まっているように感じるときも、実は魂は、深いところで成長を続けています。
考えること感じること立ち止まることそして、ほんの小さな一歩を踏み出すこと
そのすべてが、成長につながっています。
今、体や心がつらい方も、元気だけれど迷いの中にいる方も、どうか忘れないでください。
あなたの人生は、今この瞬間も、確かに「成長の途中」にあります。
人生は、結果を競うものではなく、魂が深く、やさしくなっていく旅。
その歩みは、決して無駄にはならないと、私は信じています。




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