「決める」=正解を探すことではない
- 舟橋 学

- 1月17日
- 読了時間: 3分
私たちは日々、大小さまざまな「決断」をしながら生きています。仕事のこと、人間関係のこと、治療や人生の選択。多くの方が、「どれが正しいのか」「失敗しない選択はどれか」と頭で考え続け、なかなか決められずに苦しくなっています。私が生き方の参考にしています
田坂広志氏の著書の中でこうした“決断”について、非常に本質的なことを語られています。それは、人生において多くの場合、「唯一の正解」など存在しないということです。
にもかかわらず、私たちは「正解を選ばなければならない」という思い込みの中で、自分を追い込んでしまう。この状態こそが、心を固くし、エネルギーを滞らせ、結果として人生の流れを止めてしまう原因になるのだと、私は日々の施術の中でも強く感じています。
・決断とは「未来を当てる行為」ではない
田坂氏は、「決断とは未来を予測して当てることではない」と述べています。未来は誰にも分かりません。どれだけ情報を集めても、どれだけ頭で考えても、結果がどうなるかは後になってみなければ分からない。
それでも私たちは、「うまくいくか」「失敗しないか」「損をしないか」という恐れを基準に決めようとします。
しかし本来の決断とは、結果を保証するものではなく、自分の生き方を選び取る行為なのです。
この視点に立ったとき、「正しいかどうか」よりも、もっと大切な感覚が浮かび上がってきます。
「静かな感覚」に耳を澄ませる
では、何を基準に決めればよいのでしょうか。
私が多くの方と向き合う中で感じているのは、本当に納得のいく決断には、共通した感覚があるということです。
それは、・興奮でもなく・不安を押し殺した覚悟でもなく・頭がフル回転している状態でもない
もっと静かで、深いところで「これでいこう」と感じる感覚です。
田坂氏の言葉を借りるなら、それは「理性での判断」を超えた、「魂の納得」に近いものだと思います。直感と言ってもいいし、根拠のない自信といてもいいと思います。
この感覚があるとき、人は不思議と呼吸が深くなり、身体の力が抜けています。
逆に、どこか無理をしている決断のときは、胸が詰まり、肩に力が入り、呼吸が浅くなります。
身体と心は、実に正直です。
・決めた後に「育てる」という姿勢
もう一つ、田坂思想の中でとても重要なのが、**「決断の後の姿勢」**です。
良い決断とは、最初から完璧な選択ではありません。決めた後に、・学び・修正し・引き受け・育てていく
その姿勢そのものが、決断を「良いもの」に変えていくのです。
これは、病気の回復や人生の再出発にもまったく同じことが言えます。「この道を選んだから、あとは運任せ」ではなく、「この道を選んだ自分として、どう生きるか」。
その覚悟が、結果として現実を変えていきます。
・決めることは、人生に責任を持つこと
決断とは、誰かに正解を与えてもらうことではありません。自分の人生に対して、「私は、この選択を引き受けて生きていく」と静かに宣言する行為です。
恐れがゼロになることはありません。不安がなくなることもありません。
それでもなお、心の奥で静かに「こちらだ」と感じる感覚を大切にする。その感覚を信じることが、人生の流れを大きく変えていきます。
もし今、決められずに苦しんでいる方がいたら、どうか「正解」を探すのを一度やめてみてください。
そして、頭ではなく、感情でもなく、もっと深いところにある「静かな感覚」に、そっと耳を澄ませてみてください。
そこにこそ、あなた自身の答えがあるんじゃないかと思います





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