言葉が未来をつくる ― 「なんで」よりも「どうしたら」②
- 舟橋 学

- 3 日前
- 読了時間: 4分
「言葉を変えると、未来が動き出す」〜過去思考と未来思考の違い〜
少し前のことです。あるクライアントさんがセッションの中で、「どうして私ばっかり、こんなことが起きるんでしょうか…」と涙ながらに話してくれました。
その方は本当に努力家で、まわりの人のために一生懸命生きてきた方です。けれど、いつも同じような出来事が繰り返し起こり、「なんで…」「どうして…」という言葉が口ぐせになっていました。
私は静かにこう尋ねました。
「もし“なんで”ではなく、“これからどうすれば”と自分に聞いてみたら、どんな答えが浮かびますか?」
すると、その方の表情がふっと変わり、「……あ、そっか。私、これからどう生きたいかを考えてなかった」と言われたのです。
この瞬間、私は改めて感じました。言葉を変えるだけで、エネルギーの向きが変わる。そして、それが未来を動かし始めるのだと思いました
◆ 過去思考の言葉とは
私たちは無意識のうちに、過去思考の言葉を使ってしまうことがあります。
「なんでこうなったんだろう」
「どうして自分ばかり…」
「あのときこうしていればよかった」
「やっぱり自分には無理だ」
これらはすべて、過去に意識を向ける言葉です。脳は「問いかけられた方向」に答えを探すため、このような問いをかけると、過去の原因や後悔ばかりを探し始めます。
すると、意識が「今」から離れ、エネルギーが滞り、本来の自分の力が発揮できなくなってしまうのです。
◆未来思考の言葉に変えてみる
同じ出来事があっても、未来に向かう言葉を使うだけで、思考も感情も軽くなります。
シーン | 過去思考の言葉例 | 未来思考の言葉例 |
失敗したとき | 「どうして失敗したんだろう」 | 「どうすれば次はうまくいくだろう?」 |
人間関係で悩んだとき | 「なんであの人はあんなことを言ったんだろう」 | 「これからどんな関係を築きたいだろう?」 |
落ち込んでいるとき | 「もう自分には無理だ」 | 「小さな一歩を踏み出すとしたら、何ができるだろう?」 |
苦しい出来事のあと | 「なんでこんな目に遭うの?」 | 「この経験から、何を学べるだろう?」 |
未来思考の言葉を使うことで、脳は“うまくいく方法”や“新しい可能性”を探し始めます。心が自然に前を向き、未来への流れが生まれるのです。
◆ どう変えていけばいいか
無理にポジティブになろうとしなくて大丈夫です。まずは、問いの方向を変えることから始めましょう。
「なんで?」を「どうすれば?」に変える
「できなかった」を「これからできることは」に変える
「後悔」ではなく「学び」に意識を向ける
たった一言の違いが、思考の流れを変え、心の中に“未来への光”を生み出します
🌱 セッションでよくお伝えしていること
セッションの中で、クライアントさんが過去の出来事を語っているとき、私はよくこんな言葉を添えます。
「その経験から、これからどう活かせそうですか?」「次に進むとしたら、どんな一歩を踏み出したいですか?」「もし制限がなかったら、どんな未来を描きたいですか?」
その瞬間、空気が変わります。目の前の方の表情が柔らぎ、“問題”が“成長のきっかけ”に変わる瞬間です。
◆ 言葉は未来を創るエネルギー
言葉には波動があります。「なんでこうなったの?」という言葉には停滞の波動が、「どうすればうまくいく?」という言葉には創造の波動が流れます。
「過去を責める言葉」ではなく、「未来を創る言葉」を選ぶことで、エネルギーの流れが変わり、現実も変わっていきます。
🌸 まとめ
比較 | 過去思考 | 未来思考 |
意識の向き | 原因・後悔・過去 | 可能性・成長・未来 |
感情の状態 | 不安・罪悪感・停滞 | 希望・創造・行動 |
エネルギー | 重く滞る | 上昇し、流れが生まれる |
言葉の例 | 「なんでこうなった?」 「あのとき失敗したから…」 | 「どうすれば良くなる?」 「次はこうしてみよう」 |
未来を変える最初の一歩は、「自分にどんな言葉をかけてあげるか」から始まります。
言葉を変えた瞬間、あなたの中のエネルギーが変わります。そして、そのエネルギーが、確実に未来を動かし始めます。



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